都道府県の魅力度とは

 今年も全国都道府県魅力度ランキングが民間調査会社の「ブランド総合研究所」から発表されました。それによると連続一位は北海道と変わりないものの、四年連続最下位だった茨城県が栃木県と入れ替わった。茨城県にとっては慶事ですが、最下位になった栃木県関係者はカンカンだという。
 さっそく栃木県福田富一知事が10月21日にブランド総合研究所を訪れて、調査方法の改善を申し入れたという。福田知事からすれば栃木県に暮らす多くの県民の自然な感情として、住めば都といわれているように、栃木県が決して魅力的でないとは思えないのでしょう。
 では都道府県の「魅力度」とは何だろうか。11年連続一位の北海道は多くの人から「魅力」があると評価されたのかも知れないが、それが必ずしも「住み良さ」と直結していない気がします。それは多分に厳寒の「冬」の北海道を知らない者の「魅力度」ではないでしょうか。
 「行ってみたい」魅力度と「住んでみたい」魅力度とは異なるのではないでしょうか。そうではない、「行ってみたい」魅力と「住んでみたい」魅力と、両方を併せての魅力度なら、二位が京都の指定席なのも首を傾げざるを得ません。なぜなら盆地特有の「冬寒く、夏暑い」京都で夏や冬を過ごそうとは多くの人は思わないからです。
 魅力度ランキングとは魅力度の調査とともに『認知度』と『情報接触度』に関するアンケート調査も行っているという。認知度や情報接触度も「魅力」に勘案されるのなら、各都道府県出身のアイドルやタレントによる広告宣伝活動や、行政によるアンテナショップの出店や、デパートなどでの特産品即売会などの開催により農林水産物の知名度アップを図るなども「魅力度アップ」に繋がるかも知れませんし、さらには道の駅や農産品直売所などの認知度の向上が必要なのかも知れません。茨城県が最下位を脱出したのは茨城県出身のタレントなどが茨城県の農産品を紹介する機会が増えたことが魅力度上昇に寄与している可能性があるのではないでしょうか。
 私たち不動産業者にとっては事業展開している都道府県や市町村の「魅力度」は気になるところだ。それにより少しでも移住して来れば、不動産需要が喚起されることになります。民間調査会社が発表する都道府県魅力度ランキングも他人事ではありません。

2020年11月01日